イスラエルいろいろ

イスラエルってどんなところ? ふだんだれがなにして暮らしてる? そんなギモンを掘り下げてみました。ユダヤ人の歴史・文化にも踏み込んでいきます。

イスラエルに行くのは危険? 治安について思うこと

(注意: イスラエルへの渡航は最新の情報を確認してください。2020年1月6日新聞紙エルサレムポストに、イランがアメリカの出方によってはテルアビブとハイファを標的にするという情報があります。https://m.jpost.com/Breaking-News/Israeli-bases-Haifa-targets-for-Soleimani-retaliation-ex-IRGC-chief-613197

 

イスラエルに行くと決まったとき、まず聞かれるのが危なくないの? ということでした。

 

危なくないの? への答えは、ざっと言うと「最初はドキドキ、慣れるとほぼ危険は感じない、しかしいつ何が起きてもおかしくはない、となんとなく思ってる」という感じでした。

 

日本でニュースになると、主にガザ地区とヨルダン河西岸地区のデモの様子が流れてからエルサレムの映像に切り替るので、エルサレムは危ないという印象を受けがちです。

 

しかし実際は、ガザで死者がでたというニュースが流れても、エルサレムで暮らしているとまるで実感がない、というのが正直なところです。

 

それでもエルサレムはわりとピリピリしてるのだな、と知ったのはテルアビブに行ってから。

 

テルアビブはさらに先進国特有の気だるい雰囲気もあり、占領地なんてまるで遠い場所にあるかのようです。

 

来たころは神経が尖っていて、どこに行ってもセキュリティチェックがあるのが異様に見え、バスでテロがないかとか、軍服を来た若者が銃をぶら下げて歩いているのを見てドキッとしてました。

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写真: エルサレムにあるデパートの入り口でセキュリティチェックの様子

 

しかし、慣れてくるとその感覚も薄れてきます。

 

ヘブライ大学は15年前にキャンパス内で自爆テロがあり、死者も出ています。私の通っていた校舎のすぐ側に現場となったカフェテリアがあり、最初はそこを使うのも嫌でした。

 

しかし、利便さから使わないわけにはいかず、しばらくすると慣れました。普段昼は学生で賑わい、猫がのんびりしてるくらいです。

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写真: テロがあったカフェでのんびりするネコ

 

公共の場に荷物を置いて席を立つと危険物扱いされて没収されるらしいと聞いたので、バスの中で荷物だけ置いてあるとドキッとします。

 

しかし、大学の図書館ではみんな荷物を置きっぱなしにしたりするので、それも場所による、ということがわかりました。

 

スリや騙しにもあったことがありません。気がついてないだけかもしれないですが……。

 

慣れてくると一番怖いのは無難に交通事故になったりします。

 

運転がワイルドな人が多い……

 

しかしだからといって100パーセント安全とは言えないと思います。

 

国際政治に左右される土地なので、ニュースのチェックは大事。

 

イスラエルのような国では国家間協定や外交における政治家の決定などがもろに生活に直結してきます。

 

実際に、トランプ大統領がエルサレムを首都認定した直後も、中央バスステーションのセキュリティ係の男性が刺されて亡くなるという事件がありました。

 

翌日イスラエル人に聞くと、そういうことがあるというのはわかっているが、生活は続いていくからしょうがないと思っている、と言っていました。

 

もちろんその裏にはパレスチナ人側から見た現実もあります。

 

結局のところ政治的に不安定な中東にあるイスラエル。

 

だけど、ほかの先進国と変わらない部分もたくさんあるイスラエル。

 

危なくないですか、という質問への答えは率直に言ってこんな感じです。

 

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写真: テルアビブでプリムの期間に仮装する若者たち