プリムでコスプレ大会! エルサレムのアニコンに潜入
ユダヤ教の祝日のひとつにプリムというお祭りがあります。旧約聖書のエステル記にちなんだもので、ペルシャの王に嫁いだユダヤ人の女性エステルがユダヤ人を殲滅から守るというお話です。
イスラエルではこの数日続くお祭りのあいだ、街は仮装をしている人たちで溢れます。ちびっこはもちろん、職場にも仮装して行く習慣らしく、警官が猫耳をつけて歩いたりしています。
さて2018年3月1日にエルサレムのセントラルバスステーションすぐそばの国際コンベンションセンターでプリムにのっかったアニコンがあると聞きつけて行ってきました。
建物の入り口ではイスラエル名物セキュリティーチェックが行われており、約二千円の入場料を払って中へ。去年より値上がりしているらしく、イベントの人気ぶりがうかがえます。
一歩中に入ると仮装した若者であふれていました。ナルトやルフィ、ハリーポッター、綾波レイ、ピカチュウ、戦国武将、マリオやルイージなどが縦横無尽に歩き回っています。
歩きづらそうだったピカチュウ
ブースに集まる参加者たち
もちろん日本の夏のコミケと比べると規模は小さいですが、聖地エルサレムでこんなイベントがあるとは……と驚きを隠せません。
いいなと思う仮装をしている人たちに声をかけ、写真を取らせてもらいました。学生が中心らしいですが、なりきり度と表現力は大したもの。
そのまま映画に出れそうな絵になるふたり
か、かわいい...…
とくにポプテピピックの仮装をしているペアが何組かいて、目立っていました。中には当日相方が来られなくなり、ひとりでうろつくピピ美の姿も……。
ポーズも完ぺキ!
会場にはたくさんのブースが出ており、自分の作品を売るのはもちろん、日本語スクールや日本の観光の宣伝のブースも出ていました。
一日中さまざまなイベントが開催されていてスケジュールが貼りだされており、参加者たちは予定を立ててあっちこっち移動していました。日本人でパリ在住の漫画家カタヒラヨシミさんの講演会や去年はワンピースの声優さんも来ていたとのこと。
うしろの二人もいい感じ
ためしにひとつのイベントに参加してみました。講演会でテーマは『西遊記』。講演者はヘブライ大学で漫画の講義を行なっている先生。ドラゴンボールも影響を受けたという西遊記のルーツ、上海と日本のアニメーションにおける西遊記の歴史や文化的な表現の違いを話してくれました。途中手塚治虫の西遊記のアニメーションが流れ、孫悟空とヘラクレスが戦っている部分でどっと笑いが起きていました。
キマってます
当日のメインイベント、コスプレのコンペティションは午後2時から行われました。一階席は満員。全日空がスポンサーとなり会場でくじ引きが行われ、当選者に日本行きの航空券が送られました。贈呈者である駐イスラエル日本大使もルイージの格好をして登場。
その後女性二人が司会者となり、寸劇部門、グループ部門、個人部門とカテゴリー別にイベントが進んでいきます。
画面にはヘブライ語で「コスプレイベント」の文字
寸劇部門で進撃の巨人チームにはとりわけ大きな歓声が送られていました。
そのほかゲームプレイ用の会場もあり、プレステで遊んだりカードゲームをする若者で一杯でした。
イスラエルは出生率の高い国であり、経済も成長しています。
移民の2世、3世となる若者たちには勢いがあり、好きなものに没頭して楽しむ姿はエネルギーのかたまりそのもの。
日本の漫画やアニメに対するリスペクトも感じられ、今後ますます漫画とアニメを通じた日本との交流が期待できそうです。