トランプ直後のエルサレム
トランプが今週エルサレムを首都と認め、大使館をテルアビブからエルサレムに移動する準備をしていることを明かしました。
日本からも心配するメールを何人かの人からいただきました。
何か変化はありますか? という質問を受けたのでいくつか関連することを書いておきます。
まずはトランプのエルサレム首都認定から一夜明けて、すぐにヘブライ大学からメールを受け取りました。内容はこれからパレスチナ人のデモが予定されているので、しばらくエルサレム旧市街、ヨルダン川西岸の占領地(ガザはもってのほか)には近づかないように、とのことでした。
ヘブライ大学に留学している学生の中にはけっこうヨルダン川西岸へ日帰り旅行をしている人もます。来週旅行予定だった友人はこのメールを受けて旅行計画を伸ばすことにしたそうです。
また、フラットメイトはしばらくエルサレムのライトレール(路面電車)を使うのをやめると言っていました。旧市街のダマスカス門近くを走るためです。ここからヨルダン川西岸へのバスが発着し、旧市街アラブ地区の門ということもあって、しばらくはデモが起こることが予想されます。
しかしそういったことを除けば一見まったく変わりのない日常です。
日本のニュースなどではエルサレムの街が映ったあとにヨルダン川西岸の火炎瓶を投げる様子などが続くため、エルサレムも荒れているのではないかと勘違いしがちですが、いたって平穏です。
イスラエル人の意見
イスラエル人がトランプの決断をどう思うか? と聞かれる場面にもここ一週間で結構遭遇しました。
イスラエルの政治を教える教授は、
「ネタニヤフは喜んでいるだろう。自分の問題から話題がそれるからね」
と言い、問題は人の命が失われることだ、と言っていました。
二十代前半のイスラエル人の女性は、
「イスラエル人にとっては大事なこと。ただ安全にとってはよくない」
おなじくもう一人の二十代のイスラエル人女性は、
「トランプむかつく。いいことだとは思わない」
とのこと。
すでに命を落としたパレスチナ人がいることを思えば、トランプがやったことはいい決断だとはいいがたいでしょう。圧倒的な武力を持っているイスラエル軍がまたガザを攻撃しはじめました。ハマスは第三のインティファーダが起こると言っています。
事態がさらに悪化しないことを祈ります。
(追記:12月10日にエルサレムの中央駅でヨルダン河西岸から来たパレスチナ人男性がイスラエル人のセキュリティスタッフをナイフで刺すという事件が起きました。)